ダイレクトリクルーティング
最近、ダイレクトリクルーティングの返信率が全体的に下がってきていると感じます。
企業様や人材会社の方々とお話をしていても、同じような声をよく耳にします。
もはや「どの媒体でも返信率は下がっている」と言っても過言ではありません。
■ 返信率低下の背景にある「スカウト流通量の増加」
最大の要因は、スカウトの流通量が増加していることです。
ダイレクトリクルーティングは登録者の数が劇的に増えない限り、スカウトの送信数が増えるほど、1人あたりに届くスカウト件数も増えていきます。
結果的に、学生や求職者の受信箱が飽和状態になり、1通あたりの返信率が下がるという構造的な課題が生まれています。
最近では、スカウトを「代行会社」や「個人業務委託」に外注している企業も増えています。
ある人材会社の方から伺ったところでは、全体の3〜4割がこうした外部リソース経由で配信されているとのこと。
返信率が低下すると「数を打つ」発想に陥り、さらに流通量が増加していく──というスパイラル状態にあると言えます。
■ スカウトの質で差がつく時代に
このような状況を一気に打破するのは難しいですが、
スカウトを受け取る側の行動心理を踏まえると、改善の余地は確実にあります。
たとえば、
・スカウト文面の構成・トーンの工夫
・検索結果画面での見せ方
・対象者の精度(セグメントの質)
こうした要素を一つずつ磨いていくことで、返信率は確実に改善していきます。
華やかな新しい打ち手よりも、むしろ「愚直な改善の積み重ね」が成果を生むフェーズに入っているのではないかと感じています。
■ 今後の展開:人材紹介×ダイレクトリクルーティングの融合
今後は、人材紹介会社がダイレクトリクルーティングを活用して採用代行を行うケースが増えてくると考えています。
これまでは「人材紹介」という形で企業と候補者をつないでいたのが、
今後は「採用代行(RPO)」として、企業アカウントでダイレクトスカウトを運用し、採用を支援するスタイルへとシフトするケースが増えていくという流れです。
私たちとしても、こうした市場変化を注視しながら、企業様にとって最適な採用戦略・運用体制を提案していきたいと考えています。